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35期連続増収・営業増益なるか〜パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)


事業概要と強み


言わずとしれたドン・キホーテを中心としたディスカウント(DS)事業の他、「アピタ」「ピアゴ」などのGMS事業、北米のプレミアムスーパーマーケットであるGelson's Marketsなどの海外事業を保有する企業グループがこのパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)です。


「コンビニエンス+ディスカウント+アミューズメント」の三位一体の店舗コンセプトが他の小売店との大きな差別化要素となっています。


具体的には一見カオスな店内でお気に入りの商品や掘り出し物に巡り合う楽しみを味わえる「圧縮陳列」と呼ばれる陳列方法に特色があります。


安くて免税対応かつ、ほぼ24時間営業で品揃えが豊富なことから訪日観光客にも人気が高いことが知られています。


利益率の高いPB(ピープルブランド)/OEM商品の開発にも力を入れており、店内を歩いていると各コーナーに「情熱価格」のロゴのついた商品が並んでいるのを目にします。この売上が拡大しており、2024年6月期Q3累計のDS事業売上構成比で18.8%になっています。


買った理由


  • 2024年6月期第3四半期決算が、対前年同期から増収(+7.6%)、増益(+40.8%/経常利益)、通期予想売上・経常利益が従来予想やコンセンサスを上回った。

  • 2023年6月期まで34期連続増収・営業増益(直近4年間の売上CAGR:+9.9%、営業利益CAGR:+13.6%)

  • ROE:15.7%と資本効率性も高い

  • 円安による訪日外国人とその消費額拡大(24年1-3月は1.7兆円と2019年同期比1.5倍/訪日外国人消費動向調査より)

  • PB比率上昇で更なる粗利率上昇見込み

  • 地域顧客ニーズをふまえた新たな店舗・商品開発力と現場主義・個店主義

  • 2024年5月13日現在、PER28倍と過去比較やイオンなど同業他社比較でまだ上昇余地あり

留意点


  • 過度の円安による輸入品仕入れ価格の上昇

  • インフレからの実質賃金低迷による消費の手控え

  • 新規店舗に必要な人員の確保や育成が追いつかないことによるサービス品質の低下

  • 商圏の変化や見込み違いによる不採算店舗閉鎖に伴う損失

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