景気後退とはどこでどのように判断されるのか
- suddengleam
- 2024年8月12日
- 読了時間: 3分
よく巷で「景気が悪いね」という言葉を聞きますね。
これはビジネスで物・サービスが売れない・儲かっていないという意味で使われる言葉です。
では経済、投資の世界でいうところの「景気悪化」とはどのように定義されるのでしょうか。
日米とも一般的にはGDPが2四半期連続で前年同期比マイナスが続くと一旦景気後退入りと仮判定されます。厳密にはこれをテクニカルリセッションと言います。
ではテクニカルではない本当の景気後退はどのように判断されるかというと、次のようになっています。
米国
発表機関
NBER(National Bureau of Economic Research=全米経済研究所)
定義
景気後退とは、連邦統計局が発表する総実質経済活動のさまざまな月次指標に基づき、経済活動の大幅な低下が経済全体に広がり、数か月以上続くことであり、深刻度、拡散、期間という 3 つの基準を満たす必要があります。
具体的な判断材料となる指標には以下が含まれています。各指標がどのように重み付けされるかについて、決まったルールはないですが、ここ数十年、移転所得を除いた実質個人所得と非農業部門雇用者数が重視されています。
景気転換点の日付の決定方法は、遡及的です。ピークと谷の発表を行う際、景気サイクルの年表を大幅に修正する必要がなくなるまで待ちます。実際これまで景気の転換点から発表まで4か月から 21か月要しています。この景気判断のタイムラグがあるため、一旦上記のテクニカルリセッションが用いられるわけです。
<月次指標>
実質個人所得
非農業部門雇用者数
家計調査で測定された雇用
実質個人消費支出
価格変動調整後の卸売小売売上高
鉱工業生産
<四半期指標>
GDP(国内総生産)
GDI(国内総所得)
実質個人所得の四半期平均
非農業部門雇用者数の四半期平均
直近の景気の谷
2020年4月
日本
発表機関
定義
景気転換を示す景気基準日付は、CI一致指数の各採用系列から作られるヒストリカルDIに基づき,景気動向指数研究会での議論を踏まえて,経済社会総合研究所長が設定します。
CI一致指数の各採用系列には以下の指標が含まれています。ヒストリカルDIは、これらの指数採用系列数に占める拡張系列数(3ヶ月前との比較で景気の上昇を示している系列数)の割合を計算したものです。ヒストリカルDIが50%を上回る直前の月が景気の谷,50%を下回る直前の月が景気の山に対応します。
有効求人倍率(学卒を除く)
耐久消費財出荷指数
生産指数(鉱工業)
労働投入量指数
商業販売額(小売業)
商業販売額(卸売業)
建設工事受注額
投資財出荷指数
鉱工業生産指数
生産財出荷指数
直近の景気の谷
2020年5月