株価・利益は最高値更新も、PERは過去平均より割安〜サンリオ(8136)
- suddengleam
- 2024年9月29日
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事業概要と強み
『ハローキティ』、『シナモン』や『クロミ』などの450以上のキャラクターによる国内外の物販事業とライセンス事業の他、グループ会社の㈱サンリオエンターテイメントを通して「サンリオピューロランド」などのテーマパーク事業も手掛けています。
この事業構造は長年変わっていない中、下記グラフのように2回のハローキティーブームとその終焉による営業利益の打ち込みという事業のボラティリティの高さが課題でした。

1990年代半ば:プリント倶楽部などによる女子高生を中心としたハローキティグッズ人気
2010年代前半:大人向けファッションブランド、コスメブランド、食品メーカーなど、様々な企業とのハローキティのコラボレーションによるグローバルでのライセンス事業の伸長
その後、2020年7月創業者の孫である辻朋邦氏が社長に就任後、組織風土改革、利益重視の国内物販事業再編、ハロキティ一本足打法からの脱却などの戦略転換を功を奏し、2024年3月期には営業利益269億円の営業最高益というV字回復を果たしています。
今後の更なる事業成長に向け、2024年5月に発表した中期計画にて以下の3本の矢を掲げ、3年後に営業利益400億円を目標に掲げています
。
外的要因に依拠したブームに左右されることからの脱却を目指し、“ブランディングを変える”
マーケティング・営業投資を北米英語圏に集中
中国ではAlibabaグループとのコンテンツ/マーケ連携と現地デザイン拡充/侵害品対策
ブームを一過性で終わらせない仕組みがないことから脱却するため、“組織基盤を強固にする”
グローバル×クリエイティブ人材を創出
グローバルでの資本提携等にチャレンジ
投資を適正に測る仕組みをグローバルに導入
価値提供の狭さから脱却するため、「IPポートフォリオ拡充」・「グッズ活用以外の価値創造」の2つに投資する
IPポートフォリオ拡充とマネタイズ多層化:IP創造力を活かした、ゲーム体験・デジタル体験、リアル体験・エデュテイメント体験など
強みとして、以下の3つが挙げられます。
ハローキティやシナモロールなどのほか、フラガリアメモリーズなどストーリー型IPも手掛けるキャラクター開発力
ライセンス事業を支える各種キャラクターの高い柔軟性と汎用性:現地のニーズに合わせてデザインを柔軟に変更することを許容
グローバル展開力:北米と中国を中心に130の国と地域にキャラクタービジネスを展開しており、海外の積極的なパートナーとも積極的に連携
買った理由
過去の事業ボラティリティへの反省をふまえた新戦略の有効性
25/3期1Qでの店舗インバウンド比率が38%と好調、海外ライセンス事業との相乗効果
営業利益・株価は最高値更新中も、PERは過去数年での半値以下
ROE:29.16%と高い資本効率性
売上の85%、営業利益の73%は国内と円高影響は少ない
2024/8/16の株価最高値を9/19に出来高増を伴って更新

留意点
中国の景気低迷による消費減
更なる円高による海外売上の円ベース売上減少
主要キャラクター人気のボラティリティ