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年初一括+少額積立+大底投資+リバランスの新NISA活用法

2024年2月現在、NISA開設口座数は主要証券会社で約1,400万口座(日本証券業協会調べ)となっており、NISA口座開設可能な18歳以上の人口9,744万人(総務省統計局調べ)の約14%。


一方、こちら株式会社バイアンドホールドによるアンケート調査(2024年2月実査)によれば、新NISA口座開設者は30歳〜59歳で22%と、おおよそ20%弱の人が投資活動を行っていることがわかります。


投資するのであれば、人それぞれに適正なリスクの中でできるたけ高いリターンを狙いたいところです。


どなたかの参考になればということで、本記事では僕が実践している運用方針を紹介してみようと思います。


毎月積立で工夫すべきポイント


クレジットカード積立


多くの方は口座数トップ2のSBI証券か楽天証券で新NISA口座を開設しているかと思います。


両証券会社では、クレジットカード経由で積立投資するとポイントが貯まるので、まずは新NISA積立設定で活用することをおすすめします。


最大手のSBI証券では、三井住友カードが発行するクレジットカードを毎月100円~10万円(2024年5月から上限が10万円)で積立てると、カードの種別に応じて0.5%から最大5.0%までVポイントが貯まります。


より詳細はこちらのようにクレジットカートの種類に応じて貯まる割合が変わります。


楽天証券は楽天カード経由で毎月100円~10万円(2024年3月から上限が10万円)の範囲で投資信託を積立てると、金額の0.5%から最大1%の楽天ポイントが付与されます。


より詳細はこちらのようにクレジットカートの種類と購入する投資信託の販売会社が受け取る手数料(代行手数料)が0.4%以上か否かで変わります。


なお、両証券会社でのクレジットカード積立の場合、申込み日は毎月1日になり、他の日付では設定できません。



ボーナス設定を活用した一括投資+少額つみたて設定


特にリスク(ボラティリティ)の高い商品ではドルコスト平均法で毎月一定額を積み立てると、価格が下落した時に多くの口数または株数を購入できるので、長期的にリターンを増やすことができると一般的には言われています。


一括投資後の暴落による損失を防ぎ、下落した時ほど購入口数・株数が増えるので、購入した商品全体の平均購入単価を下げることができるからです。


投資初心者向けにはこのドルコスト平均法が推奨されることが多いですが、このやり方が将来的なリターンを最大化するわけではないことには留意すべきですね。


特に上昇が続く相場環境で余剰資金がある中、それをわざわざ時間分散することは機会損失になります。


投資によるリターンは元本の大きさと長期間の複利効果が大きく影響するからです。


このことはこちらのVangard社の研究(2023年2月発行)からも明らかになっています。


Notes: This figure is for illustrative purposes only and does not represent any particular investment. Outperformance is based on comparing wealth after a one-year investment horizon with a lump-sum strategy versus a three-month cost averaging split (splitting a lump sum into three equal parts and investing each one a month apart). The investment is assumed to be 100% equity, with no interest earned on any uninvested portion, and performance is measured on a rolling basis after one year. The cash-only strategy is approximated by the 3-month U.S. Treasury bill rate. Calculations are made using MSCI World Index returns for 1976–2022. Source: Vanguard. Past performance is no guarantee of future returns. The performance of an index is not an exact representation of any particular investment, as you cannot invest directly in an index.



一括投資(Lump-sum investing)の方がドルコスト平均法(cost averaging)よりも68%の確率でアウトパフォームするというわけです。


新NISAのつみたて投資枠120万円の投資タイミングですが、ボーナス設定を活用すれば年初に一括投資することが可能となります。つみたて投資枠という名称にまどわされずに一括投資してもよいのです。


実際2024年の場合、年初にeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に一括投資した場合、3月末までの3ヶ月間で18%も値上がりしました。


毎月分割投資していたら、全体のリターンは一桁に留まっていたというわけです。


とはいえ、下落相場が続く場合は分割投資のメリットが高くなるので、僕は上述のクレジットカード積立分5万円の他数万円を毎月積み立て、それ以外は成長投資枠240万円分も合わせてほとんどを年初に一括投資しています。


長期投資の場合、理論的には一括投資がリターンを最大化できる可能性が高くなりますが、人によってリスク許容度と手持ち資金は異なることをふまえ、盲目的にドルコスト平均法を採用せず、よく考えて自分なりの投資スタイルを実行するのがいいですね。


マクロ環境分析とテクニカル指標をもとにして大底投資


投資は言うまでもなく安く買って高く売ることで利益を得る行為です。


そこで初期の一括投資+積立投資に加えて考えたいのが、大底投資になります。


株式は景気サイクルなどの一環として暴落することが度々あります。


様々な分析手法がありますが、僕は以下の動向や指標を組み合わせて大底からのトレンド転換を判断するようにしています。



どれも絶対的指標ではないので、トレンド転換と判断していから一気に資金を投入するのでなく、日付をずらして打診買いしていくことでリスクの低減を図ることが重要ですね。



アセットアロケーションとリバランス


投資するにあっては、自分のリスク許容度に応じたアセットアロケーション(株式、債券、コモディティ、現金などの割合)が極めて大事です。


値動きが異なる(相関度が低い)アセットクラスを組み合わせることでボラティリティを適正化し、着実に全体資産を増やせるからです。


長期運用前提だから、結局株式100%の方がリターンを最大化できるという主張もたまに見かけますが、やや違和感を感じます。


なぜなら、金や債券は株式と逆相関する局面も多々あるため、これらのアセットを一定割合保有することで、株式100%よりも総資産が最大化する時期がかなり発生するためです。


長期運用とはいってもいつ現金が必要になるかは完全に予測することは難しいですからね。


また、運用していく中で、当初自分が目指したリターンとリスク許容度に応じたアセットクラスの割合がずれていくので、適宜リバランスしていくことが必要です。


周囲の人と話していると、儲かった、損したという話しがほとんどで、このアセットアロケーションとリバランスを意識している人は非常に少ない印象です。


資金の余裕度やメンタルの耐性の変化に応じてこのアセットアロケーションの割合そのものも変化させていく必要があるでしょうね。




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